ジョールファット(Jowl Fat)と口横のたるみ|マリオネットラインの元凶となる脂肪の正体

ジョールファット(Jowl Fat)と口横のたるみ|マリオネットラインの元凶となる脂肪の正体

鏡を見たときに口元の横に現れる膨らみや、年齢とともに深くなるマリオネットラインに悩む方は少なくありません。その主たる原因は、口角の外側下方に位置する「ジョールファット」という脂肪の蓄積と下垂です。

本記事では、この脂肪がなぜ顔の老化印象を決定づけるのか、解剖学的な位置関係から加齢による変化、そして具体的な改善策までを網羅的に解説します。

自分の顔に起きている変化の正体を正しく理解し、適切な対策を講じることが、若々しいフェイスラインを取り戻すための第一歩となります。

目次

ジョールファットとは何か?位置と役割を解剖学的に理解する

ジョールファットとは、口角の外側から下方にかけて位置する皮下脂肪の一種であり、マリオネットラインの形成に直接関与する「元凶」とも言える脂肪です。

この脂肪は加齢とともに重力の影響を受けて下垂し、フェイスラインを崩す主要な要因となります。

口横の膨らみを形成する脂肪の正体

顔の脂肪は一様に分布しているわけではなく、いくつかの区画(コンパートメント)に分かれて存在します。その中で、口元に重くのしかかるように存在する脂肪がジョールファットです。

英語の「Jowl」は「あごのたるみ」や「下あご」を意味し、まさにその名の通り、下顔面の輪郭をぼやけさせる原因となります。

若い頃は高い位置に保持されていますが、皮膚や支持組織の衰えに伴い、徐々に口角の横あたりに溜まってきます。これが、いわゆる「ブルドッグ顔」と呼ばれる状態を作り出す正体です。

指で口横のお肉をつまんだときに皮膚だけでなく厚みのある塊を感じる場合、それがジョールファットである可能性が高いです。

バッカルファットやメーラーファットとの違い

顔の脂肪にはジョールファット以外にも、よく混同される「バッカルファット」や「メーラーファット」が存在します。これらは存在する場所や深さが異なり、それぞれが顔の印象に与える影響も違います。

正しいアプローチを選択するには、自分が気にしているたるみがどの脂肪に由来するものなのかを正確に見極めることが重要です。

顔の脂肪の種類と特徴

脂肪の名称主な位置特徴と深さ
ジョールファット口角の外側下皮下脂肪層に位置し、マリオネットラインの直接的な原因となる。
バッカルファット頬の中央深部筋肉(頬筋)のさらに奥にある深い脂肪。頬のコケや丸顔に関与する。
メーラーファット頬骨の上あたり笑った時に高くなる部分の皮下脂肪。下がるとほうれい線が目立つ原因となる。

若い頃は気にならない理由と加齢変化

10代や20代の頃にジョールファットが気にならないのは皮膚に弾力があり、脂肪を支える靭帯(リガメント)が強固に働いているためです。この時期、脂肪は本来あるべき高い位置に留まっています。

しかし、30代、40代と年齢を重ねるにつれて、コラーゲンやエラスチンの減少により皮膚は弾力を失います。同時に、脂肪をつなぎ止めていた靭帯も緩んでくるため、支えを失った脂肪は重力に従って下へと移動を始めます。

結果として、かつては頬の高い位置にあった脂肪が口元まで雪崩れ込み、口横のぽっこりとした膨らみとして顕在化するのです。

マリオネットラインが深くなる原因とジョールファットの関係

マリオネットラインが深くなる最大の要因は、下垂したジョールファットが口角の下で留まり、皮膚に段差を作ってしまうことにあります。

単なるシワではなく、構造的なたるみが影を作り出しているため、スキンケアだけでは改善が難しいのが特徴です。

皮膚のたるみと脂肪の下垂が起こす負の連鎖

老化現象は単独で起きるのではなく、複数の要因が絡み合って進行します。皮膚の真皮層が薄くなり弾力が低下すると、皮下組織を包み込む力が弱まります。

そこへ重量のあるジョールファットがのしかかることで、皮膚はさらに引き伸ばされてしまいます。

一度伸びてしまった皮膚は、中身の脂肪が減ってもすぐには元に戻りません。つまり、脂肪の重みが皮膚のたるみを加速させ、たるんだ皮膚がさらに脂肪の居場所を広げてしまうという悪循環が生じます。

この「皮膚の伸び」と「脂肪の重み」の相互作用が、マリオネットラインを深く、くっきりと刻み込んでいきます。

たるみの構造的要因

要因現象結果
重力の影響脂肪の下方移動口元に脂肪が溜まり、フェイスラインが四角く見える。
皮膚の劣化弾力性の低下脂肪の重みに耐えきれず、皮膚が伸びてたるむ。
支持組織の衰え固定力の喪失骨や筋肉と脂肪をつなぐ力が弱まり、雪崩のような下垂が起きる。

支持靭帯(リガメント)の衰えが与える影響

顔には「リガメント」と呼ばれる、貝柱のように骨と皮膚をつなぎとめる強力な支持靭帯が存在します。

特に口元の近くには「マンディビュラーリガメント(下顎靭帯)」があり、これが防波堤のように脂肪の落下を食い止める役割を果たしています。

しかし、このリガメント自体も加齢とともに緩み、弾力を失います。

さらに悪いことに、上から落ちてきたジョールファットがこのリガメントの部分でせき止められると、そこだけが膨らみ、リガメントが付着している部分は凹むという現象が起きます。

この「膨らみ」と「凹み」のコントラストが、マリオネットラインをより一層深く見せてしまうのです。

表情筋の使い方がマリオネットラインを加速させる

日本人は欧米人に比べて表情筋、特に口角を引き上げる筋肉の使用頻度が低い傾向にあります。

無表情でいる時間が長かったり、噛み合わせが悪かったりすると、口輪筋や大頬骨筋などの筋肉が衰えます。筋肉が衰えると、その上にある脂肪や皮膚を支える土台が弱くなるため、ジョールファットの下垂を助長します。

また、口角を下げる筋肉(口角下制筋)が過剰に発達している場合、常に口元を下に引っ張る力が働くため、ジョールファットの位置もそれに連動して下がりやすくなります。

日常的な表情の癖が、知らず知らずのうちにたるみの原因を作っているのです。

自分がジョールファット適応かを見極めるセルフチェック

口元の悩みすべてがジョールファット除去の適応となるわけではありません。皮膚のたるみだけが原因の場合や、骨格的な要因の場合もあります。

鏡の前で自分の顔を触り、以下のポイントを確認することで、脂肪へのアプローチが必要かどうかある程度の目安をつけることができます。

指でつまんでわかる脂肪の厚みと硬さ

最も簡単な確認方法は、気になっている口横の膨らみを親指と人差指でつまんでみることです。この時、皮膚の薄さだけでなく、中身にしっかりとした厚みや「塊」のような感触があるかを確認します。

皮膚だけが伸びている場合はペラペラとした感触ですが、ジョールファットが溜まっている場合は、プチッとした脂肪の粒感や弾力を感じます。

厚みが1センチ以上あるような場合は、脂肪除去によって輪郭がすっきりする可能性が高いといえます。

鏡を見て確認する口角の下がり具合

自然な状態で鏡を見た際、口角から顎にかけてのラインを確認します。口角がへの字に下がっており、その延長線上に影ができている場合は注意が必要です。

さらに、指で頬の皮膚を耳の方向へ軽く引き上げてみてください。引き上げた時にマリオネットラインが消失し、口横のぽっこりとした膨らみが目立たなくなるようであれば、下垂した脂肪が原因である可能性が高まります。

逆に、引き上げても深いシワが刻まれたまま残る場合は、皮膚そのものの折れ癖が強くなっている証拠です。

笑った時に出る膨らみの特徴

無表情の時だけでなく、笑った時の顔の変化も重要な判断材料です。笑うと口角が横に引かれますが、その際に口の横にぷくっとした余計な膨らみが出現するかどうかを見ます。

笑った時にこの膨らみが強調され、顔の輪郭が外側に張り出すように見えるなら、それは余分なジョールファットである可能性が濃厚です。

逆に、笑うと膨らみが気にならなくなる場合は、脂肪の量よりも皮膚のたるみや筋肉の動きが主因であるケースも考えられます。

ジョールファット蓄積の兆候リスト

  • 口角の横をつまむと、厚みのある脂肪の感触がある
  • 下を向いた時に、顔の輪郭が四角く見える
  • 口を閉じた状態で、口元に梅干しのような膨らみが出る
  • 過去に急激な体重増加と減少を繰り返した経験がある
  • 親や兄弟にも同様のマリオネットラインや頬のたるみがある(遺伝的要素)

ジョールファットを除去するメリットと顔の印象変化

適切な診断のもとでジョールファットを除去することは、単に脂肪を減らすだけでなく、顔全体のバランスを整え、若々しい印象を取り戻すための有効な手段となります。

ここでは具体的な視覚的効果について解説します。

マリオネットラインの改善と予防効果

ジョールファットを除去する最大のメリットは、マリオネットラインの原因となっている「重り」を取り除けることです。皮膚を押し下げていた脂肪がなくなることで、物理的な負荷が軽減し、深い影が薄くなります。

また、将来的にさらに下がってくるはずだった脂肪を今のうちに減らしておくことは、今後のたるみ進行を遅らせる予防的な意味合いも持ちます。

5年後、10年後の顔の印象を左右する大きな投資となります。

フェイスラインが整い小顔に見える視覚効果

口横の膨らみは、顔の輪郭を「下ぶくれ」や「四角い形」に見せてしまいます。この部分の余分なボリュームがなくなることで、顎から耳にかけてのフェイスライン(Vライン)が直線的でシャープになります。

実際の顔の大きさの変化以上に、輪郭が整うことによる視覚的な小顔効果は非常に大きく、痩せたような印象を周囲に与えることができます。

横顔を見た際のもたつきも解消され、Eライン(鼻先と顎を結ぶ線)が綺麗に見えるようになります。

印象の変化比較

部位除去前の状態除去後の変化
口元口角が下がって見え、不機嫌そうな印象を与える影がなくなり、口元がすっきりとして明るい印象になる
輪郭下膨れでベース型や四角い顔に見える顎周りがシャープになり、逆卵型のVラインに近づく
横顔顎と首の境界が曖昧で、二重アゴに見えやすいフェイスラインがはっきりし、首が長く見える

口角が上がって見えることによる明るい印象

口横の脂肪は、物理的に口角を押し下げる重りとなっています。この重りがなくなることで筋肉がスムーズに動きやすくなり、自然と口角が上がりやすくなります。

真顔でいる時でも、口角の横にあった「への字」の影が消えるため、不機嫌に見られたり疲れて見られたりすることが減ります。

清潔感や若々しさだけでなく、親しみやすい柔らかな表情を作ることができるのも、大きなメリットの一つです。

治療方法の選択肢とそれぞれの特徴やダウンタイム

ジョールファットに対するアプローチには外科的な手術から切らない施術までいくつかの選択肢があります。

それぞれの効果の持続性やダウンタイム(回復期間)を理解し、自分のライフスタイルに合った方法を選択することが大切です。

脂肪吸引による根本的な除去アプローチ

最も確実で効果が高い方法は、カニューレと呼ばれる細い管を使って脂肪を直接吸引する施術です。

耳の裏や口角の内側など目立たない場所に数ミリの穴を開け、そこから物理的に脂肪細胞を取り除きます。一度除去した脂肪細胞は再生しないため、リバウンドの心配がほとんどなく、半永久的な効果が得られます。

ただし、術後の腫れや内出血、拘縮(皮膚が一時的に硬くなる現象)といったダウンタイムが発生するため、ある程度の休みが取れる時期に行うことが望ましいです。

脂肪溶解注射による少しずつの変化

手術に抵抗がある場合、脂肪を溶かす薬剤を注射する方法があります。デオキシコール酸などを主成分とする薬剤を気になる部分に注入し、脂肪細胞を破壊して体外へ排出させます。

ダウンタイムは軽く、腫れも数日で引くことが多いですが、一度で劇的な変化を得ることは難しく、複数回の通院が必要です。

また、脂肪吸引に比べると、最終的に減らせる脂肪の量には限界があります。周囲にバレずに少しずつ減らしたい方に向いています。

治療法ごとの比較

治療法効果の確実性ダウンタイム
脂肪吸引非常に高い(一度で完了)約1〜2週間(腫れ、内出血、固定バンドが必要)
脂肪溶解注射中程度(回数が必要)数日程度(軽い腫れや赤み)
糸リフト(併用)引き上げ効果が高い約1週間(引き攣れ感、軽い腫れ)

糸リフトとの併用が推奨される理由

多くの美容クリニックでは、ジョールファット除去と同時に「糸リフト(スレッドリフト)」を行うことを推奨しています。これには明確な理由があります。

中身の脂肪だけを抜くと、今まで脂肪が入っていた空間が空洞になり、皮膚が余ってたるんでしまうリスクがあるからです。風船の空気を抜くと皮がしぼむのと同じ原理です。

そこで、脂肪を除去した直後の空洞が癒着する前に、糸を使って皮膚を正しい位置に引き上げ固定することで、よりシャープでたるみのない仕上がりを目指すことができます。

相乗効果により、単独で行うよりも満足度の高い結果が期待できます。

ジョールファット除去に伴うリスクと失敗しないための対策

美容医療にはメリットだけでなく、必ずリスクや副作用が存在します。ジョールファット除去においても、「取りすぎ」や「デザインの不一致」によるトラブルが報告されています。

これらを防ぐためには、医師の技術力と事前の入念なカウンセリングが重要です。

取りすぎによる頬のコケや凹みのリスク

ジョールファットを取りすぎてしまうと、口横が不自然に窪んでしまい、逆に老けて見える「コケ」の状態になるリスクがあります。

頬骨の下がこけてムンクの叫びのような顔つきになったり、皮膚と筋肉が癒着して笑った時に引きつれが生じたりすることもあります。

脂肪は単なる不要物ではなく、顔の丸みや若々しさを形成する要素でもあるため、適度に残すという判断が必要です。顔全体のバランスを見ながら、吸引量を慎重に調整できる医師を選ぶことが重要です。

皮膚の余りが生じることによる新たなたるみ

前述の通り、脂肪の量が多い人や皮膚の弾力が低下している高齢の方が脂肪吸引だけを行うと、皮膚が収縮しきれずに余ってしまうことがあります。

これが新たなシワやたるみとなり、結果として施術前よりも老けた印象を与えてしまうケースがあります。

自分の皮膚にどれくらいの収縮能力(タイトニング力)が残っているかを医師に診断してもらい、必要であれば糸リフトや高周波治療(HIFUやサーマクール)などの皮膚を引き締める治療を併用する計画を立てることが大切です。

リスク回避のチェックポイント

  • カウンセリングで「どこまで取るか」「どれくらい残すか」を具体的に共有する
  • 安さだけでクリニックを選ばず、解剖学に詳しい熟練した医師を探す
  • 自分の皮膚のたるみ具合を客観的に評価してもらう
  • 糸リフトなどの併用治療が必要な理由を納得できるまで聞く
  • 術後のシミュレーションや、リスクについての説明が十分にあるか確認する

左右差が出ないためのデザイン調整

人間の顔はもともと完全な左右対称ではありませんが、施術によって左右差が目立ってしまうことは避けるべきです。

噛み癖や寝方によって、ジョールファットのつき方や皮膚の伸び方は左右で異なります。そのため、左右で同じ量の脂肪を取れば良いというわけではありません。

施術前のデザイン(マーキング)の段階で、患者様を座らせた状態(重力がかかった状態)で入念に確認を行い、左右それぞれの脂肪量に合わせて吸引量を微調整する繊細な技術が求められます。

施術後の経過と日常生活で気をつけるべきポイント

施術が成功しても、その後のダウンタイムの過ごし方次第で仕上がりの美しさや回復の早さが変わります。特に脂肪吸引を行った場合、組織が修復する過程で様々な変化が起こります。

これらは正常な治癒過程であることがほとんどですが、事前に流れを知っておくことで不安を軽減できます。

直後の腫れや内出血のピークと引き方

術後2〜3日目をピークに患部が腫れたり、黄色や紫色の内出血が出たりします。これは麻酔液の影響や組織のダメージによる通常の反応です。重力の影響で、施術した場所よりも下の首元などに内出血が下がってくることもあります。

通常、大きな腫れは1週間程度で落ち着き、内出血は2週間ほどで消失します。この期間は無理に冷やしすぎず(血流が悪くなるため)、医師の指示に従って適度に過ごすことが大切です。

マスクで隠せる範囲であることが多いですが、大事な予定は入れない方が賢明です。

フェイスバンドによる圧迫固定の重要性

脂肪吸引において非常に重要なのが、術後の「圧迫固定」です。脂肪がなくなった空洞部分を圧着させ、皮膚を正しい位置で癒着させるために、専用のフェイスバンドを使用します。

圧迫が不十分だと、空洞に血液やリンパ液が溜まり(血腫や水腫)、腫れが長引いたり、皮膚がたるんだ状態で固まったりする原因になります。

一般的に術後数日間は24時間の着用、その後も就寝時などは一定期間の着用が推奨されます。この工程を真面目に行うかどうかが、将来のフェイスラインの美しさを左右すると言っても過言ではありません。

ダウンタイムの期間とケア

時期主な症状推奨されるケア
当日〜3日目腫れのピーク、痛み、内出血、麻酔液の滲出フェイスバンドでしっかり圧迫。処方された痛み止めを服用。安静にする。
1週間後腫れが引き始める、内出血が黄色くなる抜糸(必要な場合)。軽いマッサージの開始許可が出ることも。
1ヶ月〜3ヶ月拘縮(皮膚が硬くボコボコする)、つっぱり感入念なマッサージやストレッチで硬さをほぐす。保湿を心がける。

拘縮(こうしゅく)期間の過ごし方とマッサージ

術後3週間頃から吸引した部分の皮膚が硬くなったり、ボコボコしたり、引きつれるような感覚を覚えることがあります。これを「拘縮(こうしゅく)」と呼びます。

体が空洞を埋めようとしてコラーゲンを生成し、組織を修復している証拠であり、失敗ではありません。この時期に適切なマッサージを行うことで硬くなった組織をほぐし、なめらかな仕上がりに近づけることができます。

医師から指導された方法で、優しく、しかし確実に毎日マッサージを続けることが、完成形を美しくするための最後の仕上げとなります。

完全に柔らかくなるまでには、3ヶ月から半年程度かかるのが一般的です。

よくある質問

一度除去したジョールファットは再生しますか?

基本的に思春期以降に脂肪細胞の数が増えることはほとんどありません。

脂肪吸引によって脂肪細胞そのものを体外へ除去した場合、その細胞が再び増殖して元に戻ることはないため、リバウンドのリスクは極めて低いです。

ただし、残っている脂肪細胞一つ一つが暴飲暴食などで肥大化することはあり得ます。施術後も極端な体重増加には気をつけることで、半永久的にすっきりとしたフェイスラインを維持することが可能です。

痛みはどの程度感じますか?

施術中は局所麻酔や静脈麻酔を使用するため、痛みを感じることはほとんどありません。眠っている間に終わるような感覚の場合が多いです。

術後の痛みについては筋肉痛に似た鈍痛を感じることがありますが、処方される鎮痛剤でコントロールできる範囲内です。食事や会話が困難になるほどの激痛を伴うことは稀ですので、過度な心配は不要です。

仕事復帰はいつから可能ですか?

デスクワークであれば、体調に問題がなければ翌日から復帰することも可能です。

ただし、フェイスバンドによる圧迫が必要な期間(通常24時間〜3日間程度)はリモートワークにするか、休暇を取ることをおすすめします。

バンドを外せば、マスクを着用することで腫れや内出血を隠して出勤することができます。接客業などマスクができない職種の場合は、内出血が引くまでの1〜2週間程度の余裕を見ると安心です。

年齢制限はありますか?

医学的な年齢制限は特にありませんが、皮膚のたるみが著しく強い高齢の方の場合、脂肪吸引単体では皮膚が余りすぎてしまい、満足のいく結果が得られないことがあります。

その場合は、余分な皮膚を切り取るフェイスリフト手術の方が適している場合もあります。

逆に未成年の場合は、骨格の成長が完了しているか、保護者の同意があるかなどの条件が必要です。ご自身の年齢と皮膚の状態に合わせた最適なプランを医師と相談することが大切です。

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この記事を書いた人

Dr.芝容平のアバター Dr.芝容平 Pono clinic院長

Pono clinic 院長 / 日本美容外科学会認定専門医 芝 容平(しば ようへい)

防衛医科大学校卒業後、皮膚科医として研鑽を積み、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医を取得(〜2022年)。その後、大手美容外科にて院長や技術指導医を歴任し、多数の医師の指導にあたる。 「自分の家族や友人に勧められる、誠実で質の高い美容医療」を信条とし、2023年にPono clinicを開業。特にライフワークとする「切らないクマ治療(裏ハムラ・裏ミッドフェイスリフト)」や中顔面の若返り手術において、医学的根拠に基づいた高い技術力に定評がある。

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